clEnqueueWriteBufferRect

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cl_int clEnqueueWriteBufferRect (cl_command_queue command_queue, cl_mem buffer, cl_bool blocking_write,                        const size_t buffer_origin[3], const size_t host_origin[3], const size_t region[3],                        size_t buffer_row_pitch, size_t buffer_slice_pitch,                        size_t host_row_pitch, size_t host_slice_pitch, void *ptr,                        cl_uint num_events_in_wait_list, const cl_event *event_wait_list, cl_event *event)

ホストメモリからバッファオブジェクトへの、2Dもしくは3Dの矩形領域の書き込みを行うコマンドを挿入します。

パラメータ

command_queue
書き込みコマンドを挿入するコマンドキューを指定します。command_queuebuffer は同じOpenCLコンテキスト上で作成されたものでなければなりません。
buffer
有効なバッファオブジェクトを指定します。
blocking_write
書き込み操作を、ブロッキングで行うのかノンブロッキングで行うのかを指定します。
blocking_writeCL_TRUE を指定すると、OpenCL実装は ptr が参照するデータを複製しコマンドキューに書き込み操作を挿入します。clEnqueueWriteBufferRect が返った後は、アプリケーションは ptr が指すメモリを再利用できます。
blocking_writeCL_FALSE を指定すると、OpenCL実装は ptr を使用してノンブロッキング書き込みを行います。書き込みがノンブロッキングで行われるため、実装はすぐに返ることができます。呼び出しが返った後も、ptr が指すメモリを再利用することはできません。event 引数に返されるイベントオブジェクトを利用し、書き込みコマンドの実行状況を確認できます。書き込みコマンドが完了すると、アプリケーションは ptr が指すメモリを再利用できるようになります。
buffer_origin
buffer と関連付けられたメモリ領域の (x, y, z) オフセットを指定します。2D矩形領域では、buffer_origin[2] で指定する z 値は0でなければなりません。オフセットのバイト数は、buffer_origin[2]*buffer_slice_pitch + buffer_origin[1]*buffer_row_pitch + buffer_origin[0] で求められます。
host_origin
ptr が指すメモリ領域の (x, y, z) オフセットを指定します。2D矩形領域では、host_origin[2] で指定する z 値は0でなければなりません。オフセットのバイト数は、host_origin[2]*host_slice_pitch + host_origin[1]*host_row_pitch + host_origin[0] で求められます。
region
書き込みを行う2Dもしくは3D矩形領域の (width, height, depth) をバイトで指定します。2D矩形領域では、region[2] で指定する depth 値は1でなければなりません。
buffer_row_pitch
buffer と関連付けられたメモリ領域で各行が使用する長さをバイトで指定します。buffer_row_pitch に0を指定すると、region[0] を設定したものとして扱われます。
buffer_slice_pitch
buffer と関連付けられたメモリ領域で各2Dスライスが使用する長さをバイトで指定します。buffer_slice_pitch に0を指定すると、region[1]*buffer_row_pitch を設定したものとして扱われます。
host_row_pitch
ptr が指すメモリ領域で各行が使用する長さをバイトで指定します。host_row_pitch に0を指定すると、region[0] を設定したものとして扱われます。
host_slice_pitch
ptr が指すメモリ領域で各2Dスライスが使用する長さをバイトで指定します。host_slice_pitch に0を指定すると、region[1]*host_row_pitch を設定したものとして扱われます。
ptr
読み込んだデータの保存先となるホストメモリバッファへのポインタを指定します。
num_events_in_wait_list
event_wait_list で指定したイベントオブジェクトの数を指定します。
event_wait_list
このコマンドが実行される前に完了していなければならないイベントを指定します。event_wait_list が NULL のとき、このコマンドはどのイベントの完了待ちも行いません。event_wait_list が NULL のとき、num_events_in_wait_list は 0 でなければなりません。event_wait_list が NULL ではないとき、event_wait_list が指す各イベントは有効でなければならず、また num_events_in_wait_list は0より大きな値でなければなりません。event_wait_list に指定したイベントは同期点としてふるまいます。event_wait_list 内のイベントと関連付けられたOpenCLコンテキストと command_queue と関連付けられたOpenCLコンテキストは同じでなければなりません。
event
この書き込みコマンドを識別するイベントオブジェクトが返され、コマンド完了の確認やコマンド完了待ちを行えます。event が NULL のとき、アプリケーションはコマンドの状況確認やコマンド完了待ちを行えなくなります。

エラー

実行が成功した場合、clEnqueueWriteBufferRect は CL_SUCCESS を返します。そうでない場合は以下のエラーのうちひとつを返します。

  • CL_INVALID_COMMAND_QUEUE - command_queue が有効なコマンドキューでないとき。
  • CL_INVALID_CONTEXT - command_queue と関連付けられたコンテキストと buffer と関連付けられたコンテキストが同じでないとき、あるいは command_queue と関連付けられたコンテキストと event_wait_list 内のイベントと関連付けられたコンテキストが同じでないとき。
  • CL_INVALID_MEM_OBJECT - buffer が有効なバッファオブジェクトでないとき。
  • CL_INVALID_VALUE - (buffer_origin, region) で指定した書き込み領域が範囲外のとき。あるいは ptr が NULL のとき。
  • CL_INVALID_EVENT_WAIT_LIST - event_wait_list が NULL で num_events_in_wait_list が 0 より大きいとき。あるいは event_wait_list が NULL でなく num_events_in_wait_list が 0 のとき。あるいは event_wait_list 内のイベントオブジェクトが有効なものでないとき。
  • CL_MISALIGNED_SUB_BUFFER_OFFSET - buffer がサブバッファオブジェクトで、このサブバッファオブジェクトを作成する際に指定したオフセットが command_queue と関連付けられたデバイスの CL_DEVICE_MEM_BASE_ADDR_ALIGN にアラインされていないとき。
  • CL_EXEC_STATUS_ERROR_FOR_EVENTS_IN_WAIT_LIST - 書き込みコマンドがブロッキングで、かつ event_wait_list 内のイベントのいずれかの実行状況が負の整数値のとき。
  • CL_MEM_OBJECT_ALLOCATION_FAILURE - buffer と関連付けられたデータ保存領域のためのメモリの確保に失敗したとき。
  • CL_OUT_OF_RESOURCES - デバイス上でのリソース確保に失敗したとき。
  • CL_OUT_OF_HOST_MEMORY - ホスト上でのリソース確保に失敗したとき。

変更記録

脚注



―――― Version 1.1, The OpenCL Specification より翻訳